彩のライブから見える可能性

彩のライブから見える可能性
2019年10月6日 No Comments ブログ wpmaster

昨夜、彩のライブを聴いてきた。
彩、実は昔は一線でコーラス、そしてジャズピアニストとしても活動してもう40年近くになる。

彼女は15年前に一線から退き、東京のとあるラウンジ一軒だけでピアノでスタンダードなど弾き語りをしている。

それなりに歳を重ねて完全に自分のスタイルを身につけたアーティストになっている。

しかし意外にも自分の曲が無かった。
自分でも曲作りは出来るのだろうが手を出さない。

よく自分を知っているからだと言う。

そして約2年前から木村菜緒の楽曲を歌い始めた。

彼女のジャジーなピアノに合わせて歌う木村菜緒の歌が映える。

さて、昨夜は木村菜緒が35年前に作った「バックステージ」から始まった。

そして「ヒヤり」、「褪せた色した明日」、「四つでお願い」。

この辺りでスタンダードを入れるのかと思ったら「風に吹かれて」。

そして「女優が笑う」、そしてこのステージの最後に「傘 ~I MISS YOU~」。

全曲木村菜緒の歌を歌った。

最後の「傘 ~I MISS YOU~」は7分近く語るように歌った。

良い歳の取り方をした一人のシンガーの弾き語りは良いと改めて思った。

次のステージまでの間に彼女が私のところに来て話した。

そして分かったことだが、店の経営者の要望でスタンダードはなるべく減らしてオリジナル構成のステージにしてくれと頼まれているそうだ。

これは経営者の考えがあっての事なのだろうが木村菜緒にとっては有難い事だ。

今の一番の問題は木村菜緒の作品を多くの人に聴いて貰うことだ。

北陸の歌手達にそれは期待は出来ないので、木村菜緒の楽曲を管理しているところも他の歌手に積極的に歌わせている。

しかし彩のような実力派のアーティストが歌ってくれると曲は映える。

そこで私は彼女にこのライブを来年からこの店の外に持ち出すことを提案した。

すると彼女の返事は、それはもう少し後にしたいとの事だった。

今出ると昔の看板を使うことになるのが嫌だと言う。

それより木村菜緒の曲を歌ったアルバムを作り上げてから新たなスタートを切りたいと言う。

それも私はよく理解出来た。

だからそれ以上彼女にこの話はしなかった。

そして2ステージ目は「ぼったくり」、「雨夜」など少し曲を替えた構成で歌っていた。

「傘 ~I MISS YOU~」は完全に彼女のスタイルに変えて歌っている。
1ステージ目の歌とはまた違っていた。

それがいいから何度も聴きたくなる。

2ステージ目はよく来るお客の要望で「COLORED」を歌った。

これがなんとフォービートのスローにして歌うのが良かった。

そして彩は歌う前にこれを歌っているのは誰かということを必ず伝えている。

以前にも書いたがサウンドトレジャーの歌手達に脚光が浴びるように考えてくれている。

昨夜はどうして彩のライブを聴きに行ったか?

この彩のライブを収録させてくれないかと経営者に頼みに行った。

しかしそれは無理だった。

この店は前の経営者から数えて50年になるという。

この店は公に宣伝している訳でもないが、毎日お客で賑わっている。

賑わっていると言ってもうるさい店ではない。

さりげなくお酒と音楽を売る店。

そしてお酒にも大変拘っている。

正直に言って安くない。

しかしこの雰囲気を大切に保ち続けている。

そこに来る客は音楽をアテにお酒を飲む。

その音楽はお酒のアテにならなくてはならない。

しかし最近はこのスタイルが変わってきたと経営者は言う。

ステージからの問いかけが欲しいと言っていた。

それは何か?

経営者曰く。

スタンダードはいいのだが、その歌詞がもっとみんなに伝わればもっといいお酒のアテになる。
しかし英語の歌詞は殆どのお客様に伝わっていない。ジャズの雰囲気をお酒のアテにしている人が殆ど。
それなら日本語でと何度も考えたがどうも日本語の歌詞はグロテスクでハマらなかった。
しかし彩が歌っている木村菜緒の曲はこの雰囲気に馴染んで流れる。
お客様も歌詞が分かってよりいいお酒になると言われる。

そして木村菜緒の曲を全て手に入れて聴いている。
単なる彩の歌だけを聴いている訳ではない。

以上のような話しを聞かせて下さった。
そして彩のステージ構成を変えたそうだ。

そして最後に伝えられたことは、ここでしか聴けない彩のライブなので何があってもここへ来て聴いて下さいとの事だった。

全て納得させられた。
私も察しはついていたが今の時代ここまで歌とアーティストを大切にして下さっている店など無いだろう。

私も経営者との話しが弾んで飲みすぎた。

帰る時、財布から2枚の万札と数枚の千円札。

それが高いと思えず支払えた。

今の時代、何に価値があるか?
それを知り尽くした人がその価値を誰よりも守ろうとしている。

この話しを何よりも北陸にいる時の木村菜緒に伝えたい。

彼は頑張っているが、あまりにも彼の周辺にはその価値感を理解して貰える場所が無い。

だから10月からはベースメントを東京、神戸に替えさせたのだが、北陸の地で5年間頑張ってきた事にもう一度脚光を浴びるようにしたい。

それは地元ではなく遠い所から浴びる脚光。

まだまだ可能性はある。

浅田

About The Author

Leave a reply

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です